冷凍庫の奥で、パエリアの具がずっと出番を待っていた。
エビ、ムール貝、イカ、アサリ。
そこに家内がピーマンとホウレン草を加えて、フライパンで仕上げてくれた。
それでも、日曜のけだるい昼には十分すぎるごちそうだった。
フライパンごとテーブルに置いて、ふたりで全部平らげた。
その瞬間、至福がやってきた。
今日はもう出かけず、TVでラグビーのリーグワンを観ながらのんびり過ごす。
平日夕方の立ち仕事と、3年越しのKindle本づくりからようやく解放されたからだろう、
また自分もラグビーをプレーしてみようかという気持ちが、少しだけふくらんだ。
そういえば、練習に行ったときは15分で脹脛が爆裂して、
帰りの地下鉄の階段を降りるのに手すりにしがみつくしかなかった。
あの頃は脚が常に張りつめていて、練習に行く気力も体力も削られていた。
でも今は、その苦行からようやく解放された。
回復力も、またゆっくり戻ってくる気がしている。
日曜のビッグランチが、そんな気持ちをそっと後押ししてくれた。


