――京急とJRの狭間にある、甘納豆の聖地へ――
担々麺で身体が温まったところで、
ゲンちゃんと連れ立って、京急とJRの蒲田駅のちょうど中間あたりへ向かった。
この界隈は、昼下がりになると人通りがゆるやかになり、
街の音が少しだけ柔らかくなる。
その静けさの中に、昔から変わらない甘納豆屋さんがある。
店主は、私の高校の一年先輩。
蒲田を紹介するテレビ番組には必ず登場する名店で、
看板商品の「高原花豆」は、ヒロミさんをはじめ多くのメディアで絶賛されている。
店の前に立つと、
甘納豆のやさしい香りがふわりと漂ってくる。
この匂いを嗅ぐと、
「蒲田に来たな」と実感する。
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◆ ◆ 先輩の店に顔を出すという、小さな儀式
蒲田に来たら、ここに寄らずには帰れない。
先輩はいつもの笑顔で迎えてくれた。
今日は、
Kindle本の『隅田川の怪物』と
『水大ラグビー部の伝説』を手土産に持参した。
「お前、また本出したのか」
と笑いながら、
先輩は本を手に取り、表紙をじっと眺めてくれた。
こういう瞬間が、
歳を重ねるほどに沁みる。
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◆ ◆ 甘納豆の箱詰めと、思いがけない“お返し”
お使い物として、
二千円の箱詰めをひとつ購入した。
すると先輩は、
「ほら、これも持ってけ」
と言って、
同じ量の小袋をそっと袋に入れてくれた。
こういう“江戸っ子の気風”みたいなやり取りが、
蒲田にはまだ残っている。
甘納豆の袋を手に、
ゲンちゃんと並んで商店街を歩くと、
午後の光が少しだけ黄金色に見えた。

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◆ ◆ 今日の徘徊の結び
担々麺の辛さと、甘納豆のやさしさ。
その間に流れる、ゆるやかな蒲田の時間。
**G(爺ィ)の徘徊は、
結局のところ“人に会いに行く旅”なんだ、
今日あらためて思った。
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