ひらやすみしながら、ふと振り返ってみると、
どうやら自分の人生は、三つの層でできていたらしい。
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🐟 魚河岸小僧の30年
五十になるまで、三十年近く魚河岸にいた。
朝の冷気、マグロの値段、仲買の声、荷物の重さ。
湿った空気と、港町の人間模様。
あれが、自分の“原風景”なんだと思う。
文章の底にある湿度や匂いは、
きっとこの頃に染みついたものだ。
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💻 なんちゃってIT便利屋の10年
魚河岸から、なぜかITへ。
平成の混沌の中で、町の人の困りごとを片づけたり、
パソコンの設定をしたり、
まあ、なんでも屋みたいな十年だった。
昭和の匂いを残しつつ、
現代の空気も吸ったのはこの頃だと思う。
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🚧 辛でえ警備の10年
そして最近の十年は、警備会社の契約社員。
立ちっぱなし、寒さ、暑さ、何も起きない時間。
人間観察と、体力の限界と、
仕事の意味を問い直すような日々。
この十年が、
自分の文章に“静けさ”と“深さ”をくれた気がする。
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そして今は、
静かに、まったりと、
gengen33工房で『ひとりKindle出版』を続けている。
三つの層が積み重なって、
ようやく“自分の言葉”になってきた気がする。
