カジキの話

 

マグロの話のところで少しお話しましたが、カジキは延縄漁船がマグロと一緒に漁獲するためかカジキマグロと呼ばれています。しかしマグロがサバ科に所属するのに対して、カジキはマカジキ科とメカジキ科所属で全く“他人の関係”なのです。市場でもマグロ類を“大物”“太物”とカジキ類を“長物”と言っています。

カジキと言うとヘミングウェイの「老人と海」を連想される方が多いと思います。沖縄の与那国島周辺では今も一人でクロカワカジキを獲りに行く伝統的な漁があります。また秋口に伊豆諸島の三宅島や神津島周辺では突きん棒漁といって、へさきに大きなモリを持った人を待機させ一気にマカジキを突く豪快な漁もあります。これなどは究極の生け〆処理、身の色のあがりも味も申し分ないでしょう。

築地市場にも突きん棒のシーズンになると、伊豆諸島と築地を往復する貨物船などで長い木箱に氷詰になったマカジキが盛んに搬入されて長物セリ場を賑わします。

さあ一通りカジキたちのことを話していきましょうか。まずマカジキはオレンジがかった赤身で色持ちがよく刺身で人気があります。メカジキは白身で寿司屋でも握りますし、米国ではサーモンと並びシーステーキの人気商材です。クロカワカジキ・シロカワカジキは味が粘っこい感じで少しクセのある味ですが、脂ののったものは刺身でもいけます。三崎名産のシロカワの粕漬けは絶品中の絶品です。その他にもバショウカジキは英名Sail fish で背ビレが大きく帆船のような優雅な形態なのですが、相対的に魚体が小さく姿とうらはらに商品価値はいまいちです。

カジキ釣りはスポーツフィッシングの最高峰で人々を熱狂させているのですが、残念ながらゲンゲンは釣りにはあまり縁がないんで今日はこのへんで落ちまする・・・

99/08/23

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