人生には、節目ごとに「名前」が変わる瞬間がある。
家族に呼ばれた生まれたばかりの長男の名。
魚河岸の泥と汗の中で育った名。
PC黎明期の熱狂とともに使い始めた名。
ラグビーに再々復帰したときに選んだ名。
そして、今年になって静かに吹いた風が運んできた、ひとつのペンネーム──大川端久履。
気づけば、私は30数年のあいだに5つの名前を使い分けてきた。
それは単なるハンドルネームの変遷ではなく、
その時々の風に従って歩んできた私自身の記録 だった。
今回は、その5つの名前を手がかりに、
私の30数年を静かに振り返ってみたい。
① げんげん(1991〜)
──家族の風から生まれた最初の名前
長男が三井記念病院で誕生したとき、
看護師さんたちが「げんげん」と呼んでくれた。
小松川の住宅でもそのまま“げんげん”。
家族と生活の風の中で自然に育った名前だった。
一之江に移ってから、
いつの間にか呼ばれなくなった。
名前は、環境の風で変わる。
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② ゲンゲン(1990年代後半)
──魚河岸小僧の風が吹き始める
Windowsマシンを買い、
ケータイホーダイでチャットを始めた頃。
「げんげん一家の日々」を立ち上げ、
魚河岸情報局・草ラグビー奮戦記を始めた。
カタカナにした「ゲンゲン」は、
“魚河岸小僧ゲンゲン” としての風を帯びた。
築地の匂いと泥の熱が名前に宿った時期。
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③ gengen33(2000年代)
──ネット黎明期の風とHTMLの風を受けた名前
ジオシティのひな形では物足りず、
レンタルサーバを契約し、
gengen33.com を取得。
HTMLを独学で叩き込み、
ネットの海に自分の城を築いた。
この名前は、
「築地の現場 × デジタル黎明期」
という二つの風が交差した象徴。
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④ akapan33(50代〜)
──ラグビー復帰の風が吹いた名前
50歳で魚河岸を離れ、
自営業へ舵を切った。
そして60歳目前──
ラグビーへ“再々復帰”。
赤パンラガーとしての誇りを胸に、
akapan33.com を取得。
この名前は、
「身体の風が戻ってきた証」
だった。
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⑤ 大川端久履(2026〜)
──風の文学を生きるためのペンネーム
勤務時間を月100時間以内に抑え、
創作の風が本格的に吹き始めた今年。
AIとのやり取りで、
“久之”が“久履”と誤変換された瞬間、
その名前の風を感じ取った。
調べてみると、
「履く」「踏みしめる」「歩む」
という意味を帯びた、
自分の人生にぴったりの名前だった。
これはもうハンドルネームではなく、
“風を生きる作家のペンネーム”。
おわりに
ネット上の記号としてのハンドルネームを脱ぎ捨て、これからは「大川端久履」として、自らの足で大地を踏みしめ、風を書いて生きていく。












