バイト先の健康診断が葛西であった。
終わってから築地へ向かった。
三月に来た時は勝鬨橋の耐震工事の最中で橋の下へ降りることができなかったが、今回は歩けるようになっていた。
勝鬨橋のたもとへ降りる。
いまはジョギングする人がたまに通るだけで静かだ。
手摺も整備されている。
当時はこんなものはなかった。
隅田川の看板の前に立つ。
向こうにはニチレイビルが見える。
その右にはIBMのビルが建っている。

四十年か前の夜、ハマちゃんはここで靴を揃えて余興を始めた。
向こうのニチレイビルを目印に泳ぎ出す。
赤坂くんも後を追った。
私も結局付き合った。
対岸へ着いても護岸が高くて上がれず、また戻ってきた。
その晩は三人で牛丼を食べて終わった。
翌朝、私はいつものように四時に起きて築地市場へ向かった。
昼休みに岸壁へ出て隅田川を眺めた。
昨夜泳いだ川は思っていたよりずっと汚かった。
靴下を脱がないで泳いだので水を吸って重かったし、水もかきにくかった。
下着の半袖シャツは真っ茶色になった。
昼間の隅田川を見ながら、よくあんな所を泳いだものだと思った。
今日はその場所へ来てみた。
川は相変わらず流れている。
ハマちゃんに写真を送って電話もしてみたが出なかった。
相変わらずである。
そのあと東都グリルへ降りた。
地下なので画像は送れなかった。
恵比寿の中瓶を頼み、マグロとカンパチの刺身をつまむ。
ノートを開いて少しだけメモを書いた。

お腹も空いてきたのでもう食べれない「豊ちゃん」のカツカレーを思い出してカツカレーを注文した。

魚河岸は無くなった。
岸壁の景色も変わった。
それでも隅田川の看板は残っていた。
ジョギングする人がたまに通り過ぎるだけの川辺で、しばらく流れを眺めていた。



















